Lecipe75 縁切り出刃包丁~五円が切れないように〜

マジメシ日記
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以前、家に届いた小包を開けると「出刃包丁」が入っていて戦慄したことがありました。

しかし、考えてみると、僕は人に恨まれるほど「人から関心を持たれていない」ので、なにかの間違いかと思い、差出人を確認しました。

差出人は両親でした。これは「縁を切る」というメッセージかと思いましたが、同梱のお手紙を読んで、記憶が繋がりました。

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先生と僕

それは、この出来事から半年前、お仕事で必要な履修証明書(?)を受け取りに、母校にいったときのことです。

誰も僕のようなデキソコナイの生徒は憶えていないと確信しておりましたが、当時のクラスの担任の美術の先生は、僕のことを覚えていてくれました。(結構嬉しかった)

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しかし、考えてみると僕は生徒のタイプで分類すると「できないけど、まじめ」でしたので、割と熱心に授業を受けたり、個別に質問して教えてもらったりしていました。

それはそれなりに「生徒らしい生徒」だったのかと思いました。

その時、先生と立ち話になり、お仕事のこととか、日常のこととかを話しました。

そこで、なにかの話の流れで、お料理が好きなことを話しました。

すると先生のご実家は何代も「たたら打ち」の刀鍛冶の家とのことで、今では包丁を作っていらっしゃるとのことでした。

『良い包丁を使った方がよいよ』と言っていたのが記憶に残っていました。

僕もいつかは『良い包丁』を持ちたいと思っていましたが、いかんせんお金がないし、どんな包丁を買っていいのかもわからないので、何を切るのもステンレスの洋包丁使っていました。

送り主はその先生でした。

同梱された手紙は二通あって、一通目が母親の愛情のない書き殴った文字で『あんた宛に届いたので面倒だけど送る、あんたは貧乏だから着払いは勘弁してやったよ』的なことが書かれておりすぐに破って捨てました。

もう一通は先生のご親戚からのお手紙でした。

それは僕の母親と違って、非常に達筆で、『先生からあなたの包丁をつくるよう依頼されました。先生からあなたの身長、体格、利き腕、料理の腕前をヒアリングして、あなたを想像してこの包丁を叩きました』という内容のお手紙でした。

たしかに、その包丁を握ってみると、比較的小柄で非力な僕でもしっくりときて使いやすく感動しました。

その日に、先生にお礼のお手紙と菓子折を送りました。

この出刃包丁は僕の数少ない「たからもの」の一つになりました。

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タカラモノ

試しに中型サイズのスズキを買ってきて、切ってみると、包丁が下手な僕でも、簡単に頭を落とすことができました。素晴らしい切れ味です。

僕にしては奮発した購入した三種類の砥石を使って、定期的に慎重に研いで、油紙に包んで、箱にいれて大切にしまっています。

本日も買ってきたマグロの塊りも、スルっと切りました。良い道具でお料理するのは楽しいですね。

いただきます。

(おわり)

inu
inu

後日談:

味の話を細かくするのは「粋ではない」ので、簡単に表現すると、切れ味の良い刃物で切ると、食材の「細胞」が潰れないため、味が全く違う…というのは嘘です。残念ながらそんな繊細舌は持っていません。でも断面は綺麗です。

ちなみに包丁とお手紙の他に、封筒に入った5円玉が同梱されていて、『ご縁が切れませんように』と書かれていました。

コレが「粋」ということなんでしょうね。

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